令和5年度入試 埼玉県立高等部職業学科・高等部分校の入試問題(国語)について、解説します。
<入試問題>
過去3年分の問題を見ることができます。
ここから入試問題を印刷して、それを見ながらお読みいただくと、分かりやすいと思います。
<漢字 >
小学生全学年からでなく、出される学年が限定されており、例年通りでした。
<ローマ字>
①清音
②拗音(小さなャュョ)
③濁音( ” )と促音(小さなッ)
ローマ字はこのように内容が分けて出題されました。
清音のローマ字だけの練習では、①しか答えられません。
ローマ字は毎年出ますので、どんなローマ字でも読めるように練習しましょう。
今年出なかった半濁音(ぱぴぷぺぽ)が来年は出るかもしれません。
<活用>
昨年は「低い」「深い」のような形容詞も出ましたが、今年は動詞の活用だけでした。
しかし、①借りる → 借りればいい と簡単でない活用もありました。
<慣用句>
中学生は慣用句をふだんほとんど使いません。
そのため、しっかりと練習を積まなければ得点できない問題です。
かろうじて、④⑤なら聞いたことがあるという程度でしょう。
①花を持たせる
②足を洗う
③目もくれない
④水に流す
⑤火の車
<助詞>
これも点数を落とせない問題です。
国語の文章問題を多く解いたり、このタイプの問題に触れたりしておきましょう。
<読解問題 二宮金次郎>
「金次郎のぞう」の「ぞう」を「象」と勘違いしたり、「たきぎ」って何と思ったりすると、一段落目は読み取れなかったかもしれません。
その後の文章は読みやすいので、二段落目からはイメージしやすかったと思います。
<国語辞典 問1>
国語辞典を引いたことがない受験生は、問題の意味自体が分からなかったでしょう。
大人から見たら簡単ですが、中学生だと問題内容が理解できなかったかもしれません。
<国語辞典 問2>
久しぶりの見出し語の順番の問題です。
しかし今年は、1→2→3→4と順番を付けるのでなく、三番目を選ばせる問題でしたので、戸惑った受験生もいたでしょう。
<読解問題 かぜ薬>
これは難問でした。
問1の「諸症状」の意味が理解できなかったかもしれません。
問2も例文には「1日3回」「30分」のような数字の表示ですが、問題文には「一日三回」「三十分」と漢数字となっています。
例文と問題文を見比べれば見つけられますが、この表示の違いで見つけられなかった受験生も多かったでしょう。
問3と問4も答え方に戸惑ったと思います。
<総評>
今年の国語の入試問題は、昨年の地図記号のような「悪問」はありませんでした。実力の差をしっかりと把握できる問題構成でした。
1⃣~5⃣は基礎的な学力を図る問題で、漢字・ローマ字・慣用句は学習量の差が出るようになっています。
7⃣は国語辞典の問題というより、過去問をどれくらい解いたかがカギとなったでしょう。
6⃣8⃣の読解問題では、6⃣「二宮金次郎」は比較的解きやすく、8⃣「かぜ薬」はレベルが高くなっており、受験生の実力の差がはっきりと出る内容でした。
1⃣~5⃣、7⃣の対策は、ててスクールでも日頃より行っていますので、比較的得点しやすかったと思います。
さいたま桜高等学園や高等部分校の高校入試でカギとなるのは「読解問題」です。
「読解問題」は配点が高いので、合否を分ける問題です。
そして「読解問題」はすぐには実力がつきません。
時間がかかります。
問題文と生徒の相性により、好き・嫌いがあります。
「読解問題」は生徒の実力より、ちょっと簡単なレベルから始めて、少しずつレベルを上げていくと、少ない負担で実力がついていきます。
さいたま市の放課後等デイサービス「ててスクール」では、このようにして「読解問題」の実力をつけています。
来年は分校が増えて、次の高校がこのような問題で入試を行います。
・さいたま桜高等学園
・大宮北特別支援学校さいたま西分校
・川口特別支援鳩ケ谷分校
・草加かがやき特別支援学校草加分校
・上尾特別支援学校上尾南分校
・入間わかくさ
・松伏分校
・北本分校
・白岡分校
・羽生ふじ
・たかしな分校
・宮代分校
・狭山清陵分校
・(新校)大宮商業内分校(仮称)
・(新校)新座柳瀬高校内分校(仮称)
・(新校)三郷北高校内分校(仮称)
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